コラム
Column

めっき加工の現場から、技術や品質へのこだわり、業界の最新動向などをお届けします。
現場の声や知見を通じて、エルグのものづくりを深掘りするコラムです。
2025.07.01
めっき工程最大の難関?金属表面汚れの秘密
素材を知ったら、もう問題なくめっきできると思ったら、大間違い!!
生成した金属をそのままめっきすることはありません。
部品に加工した金属にめっきをする訳なんだけど加工した金属表面には、様々な汚れがついているのです。
だから、めっきの前にこの汚れを落とさなくてはならなくて、この汚れを落とさないままめっきすると、めっきの重大欠陥の「ふくれ、はがれ」になってしまうのです。
次の敵、、、(だから、敵じゃないって) 「金属表面の汚れ」について、調べましょう。
油汚れは大きく分けて3種類の成分からできています。
動植物油(ケン化油)は、動物や植物から取れる油、またこれらを加工した脂肪酸などです。
鉱物油(不ケン化油)は、石油から取れる油。
防錆油は、これらの油脂にインヒビターという素材の溶出防止成分を添加しています。

【プレス油】

プレス加工とは、金型の間に金属素材などを挟み込み金型に圧力を加えて金属などを変形させる成形加工であり「塑性加工」です。
この際、金型と素材の接触面間で大きな摩擦
が発生し、素材に割れやキズ、摩擦熱による焼き付きが発生し、更に金型も損傷する可能性があります。
プレス油は、この摩擦を軽減して金型と素材表面を保護する役割があります。
【切削油】
金属加工油剤、工作油剤の一種で、主に切削加工に使用する湿潤剤です。切削油には、つぎの3つの作用が求められます。
【湿潤作用】

被削材と工具、工具と切り屑の間に浸透して境界面の摩擦を減少させることで、工具のクレーター摩擦やフランク摩擦を減少させます。
クレーター摩擦は、工具のすくい面に発生する摩擦で、切り屑によって工具の刃先が削り取られ、クレーターのようなくぼみができてしまいます。
また、フランク摩擦は、工具の逃げ面に発生する摩擦で、遺作剤に工具が擦れることで工具表面に線状のキズができてしまいます。
【冷却作用】
被削材と工具、工具と切り屑で発生する摩擦熱や金属のせん断熱を吸収して被削材を冷却し、工具の硬度低下を防いで摩擦を減少させます。また、加工物の熱膨張による寸法精度のばらつきを防ぎ仕上げ面精度を保ちます。

【反溶着作用】
被削材と工具、工具と切り屑間の溶着を防止して構成刃先に起因する仕上げ面の粗さの悪化や、加工物の寸法精度のばらつきを防ぎます。
構成刃先とは、切削加工中に工具の刃先に金属の微小な塊が付着し、工具の切削性能を低下させる現象です。
加工精度の低下や工具寿命の短縮を引き起こします。
【防錆油】
主に金属素材を使用した部品にサビが発生するのを防ぐ油です。防錆油は塗布することで防錆膜が形成されサビの発生原因との接触を防止します。
【金属酸化物】
金属元素の酸化物は、酸化物イオン(O2-)を含んでいます。

【金属水酸化物】
金属元素の酸化物が水と反応すると、水酸化物が生じます。

【硫化物】
硫化物イオン(S2-)と金属イオンの結合により生じます。

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