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めっき加工の現場から、技術や品質へのこだわり、業界の最新動向などをお届けします。
現場の声や知見を通じて、エルグのものづくりを深掘りするコラムです。

2025.07.01

ステンレス鋼と合金鋼 ― 知っておきたい素材

「ステンレス」ってよく聞くけど、どんなものか知ってる?
ステンレスは、「Stainless(さびて汚れない)鋼」のことで、
13%以上のクロムを含んだ鋼で、大きく分けて、クロム系とクロム・ニッケル系があるのです。

クロムは、最近ではクロムのイオン、6価クロムが環境負荷物質としてある一定以上製品に含まれないことが要求されるような化学物質なんだけど、実はとても優秀で、不思議な物質なのです。
鉄の中に入ると、鉄の表面に100万分の3mmという薄い膜を作って、サビを防いでくれるのです。
この膜はとっても強くて、たとえ破壊されても、周りの酸素使ってすぐに再生してしまいます。

ステンレスに添加される合金元素は、5大元素の炭素(C),ケイ素(Si),マンガン(Mn),リン(P),硫黄(S)で、更にクロム(Cr)とニッケル(Ni)を添加して作られています。
炭素含有量は、1.2%以下で、クロム含有量は、10.5%以上。
ステンレス鋼は、SUS材と呼ばれていて、先ほど紹介した特徴のとおり、不動態被膜という薄い膜に守られるためになんと言っても耐食性が優秀なんです。
「合金鋼」は、鉄と炭素以外の元素を一定以上含むもので、「ステンレス鋼」は、合金鋼の一種なのです。

他の合金鋼には、ダイヤモンドの次に硬い超硬合金があって、これにはクロム、タングステン、モリブデン、チタン、ジルコニウムなどの元素に、鉄、コバルト、ニッケルで結合した金属炭化物の粉末と一緒に焼結して成形するという製造方法が違うものがあるのです。
これは、金の2倍の比重があって、高温になっても硬度が下がらないので、強度や弾性に優れているから、ドリルやフライスなどの金属加工の切削工具に使われているのです。
機械構造用合金鋼は、0.12~0.5%の炭素の他に、ニッケル、クロム、モリブデンなどを添加し焼き入れ性をアップさせたものです。

焼き戻しも出来るので、焼き入れ焼き戻しで高い強度を得ることが出来るのです。
この、強度と靭性を利用して、一般機械、産業機械、輸送機器の材料になります。

ハイテン鋼(高張力鋼)は、炭素含有量0.2%以下の高炭素鋼にケイ素やマンガン、チタンなどを添加した引張力がとてもに強い合金鋼で、SS400と比較すると倍以上の強度があります。
薄くて丈夫なので、車両のボディ、ガスタンク、側溝の排水蓋などに利用されているんです。

SKS材(ハイス鋼、高速度工具鋼鋼材)は、SK材にクロム、タングステン、バナジウムを添加し、SK材より耐摩耗性、耐衝撃性を向上させていて、切削工具、耐衝撃工具、冷間金型などに使用されています。

SKD材(ダイス鋼)は、SK材にクロム、モリブデン、バナジウムが添加された材料で、プレス機械などの金型やダイス、ゲージ、金属刃物に使用されます。

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