コラム
Column

めっき加工の現場から、技術や品質へのこだわり、業界の最新動向などをお届けします。
現場の声や知見を通じて、エルグのものづくりを深掘りするコラムです。
2025.07.01
銅合金の個性
鉄鋼の次にめっきの依頼が多いのは、銅合金です。
有名なのに、「黄銅(真鍮)」があるんだけど、どんなものか知ってる?
黄銅は、主に銅[Cu]、亜鉛[Zn]の合金で、アルミ[Al]、錫[Sn]、鉛「Pb」、マンガン「Mo」、鉄[Fe]なども添加するものもあるのです。
黄銅にもいろいろ種類があるから、少し紹介します。
丹銅(red brass)は、色は淡紅色、JISではC2100~C2400が該当。
展延性、絞り加工性、耐食性に優れ、建材、装身具、金管楽器などに使われています。


七三黄銅(yellow brass)は、JISでは、C2680で、銅65%、亜鉛35%のほか、鉛、鉄をそれぞれ0.05%以下。
銅の中では比較的強度があり加工性、展延性に優れ、めっき加工が可能。
導電性、熱伝導性にも優れていて、機械や電子部品として使用されているのです。
また、変色はするんだけど、サビによる劣化がしにくいから、蛇口や水道管に使われることもあります。
六四黄銅は、銅60%、亜鉛40%、強度、展延性が高くて、板金加工に向いていることから、ネームプレート、配線器具部品、計器盤に使用されています。
快削黄銅は、JISでは、C3560、C3561、C3710、C3713が該当。
銅60%、亜鉛40%のほか、鉛を添加することで快削性が良くなっている。
ネーバル黄銅は、JISではC4641が該当。
銅60%、亜鉛40%のほか、錫を添加することで、耐海水性、硬度、強度を高めたものだけど、展延性は弱くなっているのです。


アルミニウム黄銅は、JISではC6871、C6872が該当。
銅76.0~79.0%、アルミニウム1.8~2.5%、ヒ素0.02~0.06%亜鉛残。耐海水性に優れ、熱交換器、覆水器用伝熱管に使われています。
高力黄銅は、銅60%、亜鉛40%のほか、マンガン、アルミニウム、ニッケル、鉄などを添加することで、強度、耐摩耗性、耐食性が良く鋳造性があって、船舶部品、ナット、歯車に利用されています。

アドミラルティ黄銅は、JISではC4430が該当します。
七三黄銅に錫を添加したもので、ネバール黄銅と似た性質があります。
耐食性、耐海水性に優れ、熱交換器用管板、熱交換器、ガス配管用溶接管に使用されます。
脱亜鉛腐食防止のため、ヒ素[As]を0.02~0.06%添加します。

洋白は、銅[Cu]50~70%、ニッケル[Ni]5~35%、亜鉛[Zn]15~35%を含む合金で、
銀白色の合金で、 亜鉛、ニッケルの含有量により数種類に分けられています。
耐蝕性にすぐれ、美しいため、 装飾品や食器などに多く使用され、また、弾力性に富むため、楽器や電気材料の部品にも 使用されています。
洋白は、ニッケル含有量が多くなるほど、ばね特性が向上し、亜鉛含有量が多いほど強度が高く、銅含有量が多くなると展延性が上がる銅合金です。

お問い合わせ
Contact
お問い合わせフォームはこちら
お電話でのお問い合わせ
0274-62-2421
営業日カレンダー