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めっき加工の現場から、技術や品質へのこだわり、業界の最新動向などをお届けします。
現場の声や知見を通じて、エルグのものづくりを深掘りするコラムです。

2025.12.18

貴金属めっきについて

貴金属と聞いて、皆さんは何だと思いますか?
「イオン化傾向が小さく酸やアルカリに反応しにくい安定している金属」といわれていて、主に金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の8種類を指すことが多いです。

これらの金属は、耐腐食性に富み、性質が変化しにくく、また、希少価値の高いレアメタルであると言えます。 金、銀については別のコラムで書いていますので、めっきに使われるその他の貴金属について紹介します。

現在、実用化しているめっき浴はこのようなものがあります。

【ロジウムめっき】このめっきは、当初は装飾用でありましたが、化学的、物理的性質を生かして工業用途にも利用されるようになりました。
ロジウムの性質として、通常の酸やアルカリにとても強いのですが、特定なものに弱いんです。
例えば、発煙硫酸や(これは濃硫酸に無水硫酸を40~70%吸収させたもの)、ヨウ素、次亜塩素酸ナトリウムなんかです。

めっき外観は、鏡面光沢で反射率も高く、耐摩耗性にも優れています。
電気抵抗は、4.9μΩ・cm、白金族(Pt、Pd、Ru、Rh、Ir)中では最も低いんです。 更に、銀のような経時変化もないので、電気電子機器部品などの工業的用途が広い金属です。

ただ、ロジウムめっきは硬いので、厚付けすると残留応力によってクラックが発生してしまいます。
なので、セレン(Se)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを微量添加することで緩和することができます。

加えて、ロジウム浴は強酸性なので、素地金属や下地めっきの溶解、前処理工程からの金属不純物の持ち込みが蓄積してしまいます。
特に装飾目的のめっきの場合、この金属不純物に敏感に反応して、色調や耐食性に影響がでてしまいます。
そのため、あまり同じ浴を長期使用は出来ず、定期更新しなければならない、高コストなめっき液です。

【パラジウムめっき】このめっきは、パラジウム自体が他の白金族に比べて化学的安定性がやや劣っています。
けれど、ひと昔前は白金族の中で一番価格が安かったのと高耐食性の性質から、ロジウムめっきの下地や金めっきの代替品として重宝された時代もありました。
現在では、ばか高い金の過去の価格くらいになってしまいました。

色調は黒っぽく、とても硬いです。
ですが、パラジウム単独のめっきより、ニッケルと合金化したパラジウムニッケルめっきの方が人気があります。
パラジウム塩は、ジアミノ亜硝酸パラジウムが多く使われていますが、この塩は非水溶性なので、アンモニア水に溶解して使用します。

アンモニア性のめっき浴は、金属不純物の溶け込みが多いので定期的なメンテナンスが必要です。

【ルテニウムめっき】ルテニウムは軽白金族で、優れた耐職制や触媒特性を持つ金属です。
HDD(Hard Disc Drive)や半導体向け、電子材料に利用されています。
ロジウムやパラジウムよりも融点が高く耐摩耗性に優れ、加えて電気抵抗も6.7μΩ・cmと低く、電子部品のリードスイッチなど接点材料としても活躍しています。
価格は、パラジウムよりも若干安いのですが、1gで5千円ほどなので、決してお手軽な金属ではありません。

めっき的には、つてニウムイオンは不安定なので、電解中に液中で分解してしまうことがあります。
そのため、スルファミン酸などでルテニウム錯体を形成する塩を使って安定しためっきを行うことを可能にしたので電子部品から装飾用まで幅広く活躍できるようになりました。

硫酸ルテニウムとスルファミン酸を添加しためっき浴からは、白色の金属色調の外観のめっき被膜が得られます。 更に、添加剤を加えることで、黒色調のルテニウムめっき被膜を得ることが可能になります。

【インジウムめっき】インジウムは、耐硫化性という特殊な性質があります。
そのため、銀めっきの変色防止として利用されています。
また、とても軟らかいので、滑り軸受としても利用されています。
更に、スズとの合金として低温はんだにも使われています。

【プラチナめっき】プラチナめっきは、金より硬く耐食性も良いので、他の部品が接触する電子部品の接点や電極として、チタン電極やガスタービンの耐熱性改善に利用されています。


また、チタンの上にプラチナめっきをして触媒としても活用されています。
更に、眼鏡やネックレスなどの装飾品のめっきとしても活躍しています。

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