コラム
Column
めっき加工の現場から、技術や品質へのこだわり、業界の最新動向などをお届けします。
現場の声や知見を通じて、エルグのものづくりを深掘りするコラムです。
2026.01.22
表面処理について
当社は「めっき屋さん」なのですが、めっき以外にも金属の処理を依頼されることが多くあります。
別のコラムで「熱処理」を紹介しましたが、今回は、めっき以外の表面処理について紹介します。

【パシペート】ステンレス鋼はムと酸素が結合した酸化クロムが保護膜となります。
この酸化皮膜は自然の状態でも生成しますが、数~数十Å(0.1×10-3μm)ととても薄いので、キズが付きやすく、そのキズからサビが発生することがあります。
なので、硝酸系の酸化剤に浸漬させることで、より緻密で強力な皮膜を形成させます。

特に、SUS410の腐食原減量(腐食が起こった時に母材が減少する量)は、SUS304の100倍にもなるのでパシペート処理が必須な素材です。
【リン酸処理】鉄鋼材料の表面をリン酸溶液に浸漬することで化学的に防錆被膜を形成させる技術です。
母材表面には、0.5~5μmほどの難溶性のリン酸塩結晶膜が形成され防錆効果だけでなく塗装の下地としても優れています。
また、別の用途では、鉄に溶融亜鉛めっきを行った製品は、処理直後にはギラギラした光沢があるので周囲との調和が取りづらく、見ようによっては安っぽい印象を受けます。 この溶融亜鉛にこの処理を行うと、美観を高め、重厚感や高級感、あるいは周辺景観との調和が取れる色調に変化させることが可能になります。
【クロム酸処理】亜鉛めっき後のクロメート処理と同様で、クロム酸塩を含む溶液に浸漬することで、耐食性の向上や変色防止、更に塗装の密着性を向上させます。
【黒染め処理】高温のアルカリ溶液に鉄を浸漬させ、耐食性のある黒い四酸化三鉄の被膜を形成させる処理です。
この処理は、部品の寸法や形状を殆ど変えずに黒色の外観とある程度の防錆効果を与えることができます。

【ジンケート処理】アルミニウムにめっきする前の処理で、アルミニウムの酸化皮膜を除去し酸化皮膜が再度形成しないように亜鉛被膜で覆います。
その上に銅やニッケルのめっきをすると密着の良いめっき被膜が得られます。
【アルマイト処理】人工的にアルミニウムに酸化皮膜を形成して硬度を高め、耐摩耗性、耐食性を向上させることができます。
陽極につないだアルミニウムを電解液に浸漬し、電気分解によって酸化皮膜を形成します。
一般品に行うものは、表面が白っぽく見えるので「白アルマイト」と呼びます。

航空機や自動車部品には、「硬質アルマイト」と呼ばれる50μmほどの厚さの酸化皮膜を形成させます。
アルマイト処理後に染料や顔料で着色する処理を「カラーアルマイト」といいます。
酸化皮膜の厚さによって色の濃さの調整が可能です。
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