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めっき加工の現場から、技術や品質へのこだわり、業界の最新動向などをお届けします。
現場の声や知見を通じて、エルグのものづくりを深掘りするコラムです。

2025.09.17

めっきの性質

めっきのことをもう少し知りたい人に、今回は性質について紹介します。
「めっき」の性能は、他のコラムでも紹介していますが、めっきの持つ性質
や特徴を知ることでめっきを必要とする製品に適切な付加価値をつけることができます。

【光沢度】そもそも、金属本来が持つ色味以外に、めっきの外観ってどう変化させているのでしょうか。
めっきに求められる機能のひとつに「光沢度」があります。
素材の粗さの影響がないとして、光沢度は、めっき液に加えられる添加剤や処理条件によって結晶粒子の析出状態がことなることで変化させています。
なので、めっき業者のノウハウが詰まった技術となるのです。

めっき皮膜の表面が鏡のように平らであるなら、とても良い金属光沢を呈します。
表面の状態が、凹凸になれば表面上の散乱が増え、鏡面よりも弱い光沢度になります。
そして、樹枝状結晶になると、表面で光が吸収されてしまって反射光はマットな灰色を呈します。

【内部応力】一般的に物質は、外から力が加えられると変形するが、このとき元に戻ろうとして反対側に働く力を「応力」といいます。
引っ張られた場合には、「引張応力」、圧縮された場合には、「圧縮応力」といいます。
また、物質の内部に存在する応力については、「内部応力」といい、同じく引張応力と、圧縮応力があります。
電気めっきでは、内部応力が重要で、これは通常、金属が電析した場合には、内部応力が発生するためです。
析出物が圧縮応力をもっているときには、析出物自身が圧縮と逆に伸びようとするため、素地金属に自分(めっき皮膜)を押し付ける方向に働いて密着が良くなります。

逆に、引張応力の場合には、析出物自身は収縮しようとするため、素地金属との密着が悪くなる傾向があります。
内部応力が大きいと、剥がれや割れ、変形して耐食性が低下するなどの問題が発生します。

この内部応力は、電着する金属の種類や浴のタイプ、作業条件、添加剤の種類などにより異なりますが、めっきの不具合が起きないように、内部応力を抑えるような工夫が必要になります。
例えば、内部応力が原因で密着不良や膨れが発生する場合、ストライクめっきを行うことで改善されることがあります。
また、厚付けが必要な電鋳では、極わずかな応力でも問題となる場合があります。
更に、ニッケルめっきの場合、通常内部応力は、引張り応力を示しますが、1次光沢剤は内部応力を現象させる性質があるため、ある濃度以上添加すると、引張り応力から圧縮応力に変化します。

内部応力がめっきに及ぼす影響としては、

【密着性】内部応力により素地金属からめっきが剥離してしまう場合、素地金属の清浄度が低く、活性化の悪い箇所で熱膨張の違いにより圧縮応力が作用し膨れが起こると考えられています。
時に引張応力でも起こることはありますが、亜鉛めっきなどでは経時変化により膨れが発生することが多いことを考慮すると、圧縮応力が原因であることが推察できます。

【めっきの亀裂】ニッケルめっきではしばしば、亀裂が発生する場合があります。
これは、強い引張応力が主な要因と考えられていますが、これを活用
してクロムめっきにクラックを発生させることで腐食電流密度を分散させ、耐食性を向上させている場合もあります。

【腐食】めっき被膜に残存した応力が、腐食環境下では腐食を加速させることがあります。
これは、亜鉛-クロメート処理品にクラックが無いにもかかわらず、腐食環境下で亜鉛皮膜の圧縮応力のため、クラックが発生することで腐食スピードを上げてしまうことがあります。

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