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めっき加工の現場から、技術や品質へのこだわり、業界の最新動向などをお届けします。
現場の声や知見を通じて、エルグのものづくりを深掘りするコラムです。

2025.09.24

剥離について

業者の使える魔法のひとつに「剥離」があります。
ま、本当は魔法ではなくて技術なんですが。
「剥離」とは、表面処理業界では、素地金属上のめっき被膜を選択的に除去することを言います。

めっきには様々な不具合が発生する場合があり、問題のあるめっきを剥離して再度めっきする剥離再めっきを行う場合があります。

その他、めっきで使用する治具は繰り返し使用するため、接点などに付着しためっきを剥離しないとその後のめっきに不具合が発生する場合があります。

剥離の手段には、

【バレル研磨 サンドブラス】バレル研磨は、めっき品とメディア(研磨石、研磨材)、コンパウンド(研磨助剤)との 相対摩擦により加工を行う研磨方法で、サンドブラストは特殊研磨材を高圧で吹き付けることで、どちらも力業でめっき皮膜をはぎ取ります。

【電解剥離】文字通り、電気の力を使って陽極の溶解を行う電気的方法です。

【融解剥離】融点の差を利用して被膜だけを融解して除去する物理的方法です。

【化学剥離】かしたい金属を酸化剤の入った溶液中で化学反応させて除去する、化学的方法があります。
これは、めっき業者で最もポピュラーな方法で、めっき薬品メーカーが各種の剥離剤を販売しています。
化学的方法で使用する酸化剤は、目的金属は溶解するが素地金属は溶解しない酸化力を持つ酸化剤が利用されています。
つまり、素地金属を酸化しないまたは素地金属を不動態化するような酸化剤で、例えば、鉄上の亜鉛めっきの場合、塩酸濃度が30v%ほどだと、亜鉛めっきは溶解しますが、鉄は溶解しない※状態になります。※厳密には、わずかに溶解

また、鉄上のニッケルめっきの場合、硝酸50~100v%だとニッケルめっきは溶解しますが、鉄は溶解しません。

酸化剤の他に目的金属のみと錯体を形成する化合物を使用する場合もあり、例えば、ニッケルめっき下地の金めっきの剥離では、シアン化ナトリウムを含む溶液を用いると、金は溶解するがニッケルは溶解しません。
その他、めっき被膜だけでなく素地金属も溶解してしまう酸化剤を使用する場合、素地金属を保護できるインヒビターを添加するものや、弱い酸化剤と目的金属のみに反応する酸化促進剤を組み合わせる方法もあります。

また、単に不具合品の修正だけを行うのではなく、剥離技術はプリント配線板製造工程でも加工技術としても活用されています。

プリント配線板の製造工程では、はんだ剥離法によって銅スルホールめっき基板が製造されています。
はんだ剥離法は、金属レジスト(保護膜)のはんだめっきをエッチングした後、剥離剤ではんだを溶解除去する方法です。

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