よくあるご質問
FAQ
形状・サイズ
どんな部品でもめっきできますか?
正直に言うと、得意・不得意があります。得意なのは袋穴・微細形状・組み付きやすい形状など「液が回りにくい」難しい部品です。逆に、サイズが大きすぎる製品(エルグはL=30mm以下の微細部品が得意です)は他社の方が向いている場合があります。まずは形状・サイズ・材質を教えてください。得意領域かどうか正直にお伝えします。
「袋穴」って、そんなにめっきが難しいんですか?
一言でいうと「液が奥まで入らない。液が奥まで入っても、抜けない」のが一番の問題です。穴の奥に古い液が残ったまま新しい液と入れ替わらないと、内面にめっきが析出しなかったり、変色したりします。エルグではこの液交換を専用工程で行っており、穴径1.0mm・深さ10mm程度(アスペクト比1:10程度)まで実績があります。これより深い・細い穴になると条件出しに時間がかかることもありますので、まずは形状と材質(実績は銅・銅合金・鉄鋼系が中心)を教えてください。
細いパイプの内側にめっきするのは可能ですか?内径0.5mmくらいなのですが。
可能です。穴径0.5mm・全長50mm(比率1:100)クラスの実績があります。パイプは内径が細く長くなるほど中心部に液が届かず無めっきが出やすいのですが、専用工程で完全な液充填・液交換を行うことで対応しています。
パイプ状の部品は、どんな用途で依頼が多いですか?
自動車部品や電子部品の接点用途としての依頼が多いです。内径0.5mm・全長50mm(比率1:100)クラスの実績もあり、先端と末端で径が異なる形状(先端径0.15mm・末端径0.20mm・全長3mm)にも対応しています。
板ばねやコの字型の部品が重なった状態でめっきすると、どうなりますか?
重なった部分や貼りついた部分には液があたらず、その箇所だけめっきが析出しない「無めっき」が起きます。バレルめっきだと特に出やすい症状です。エルグでは「網付けめっき」という、製品を網かごに入れて紙すきのようにゆすりながらめっきする方法で無めっきを回避しています。線径13μm・外径53μm程度のばねでも実績があります。
密着したコイルばねの内側まで、均一にめっきできますか?
できます。120巻きと巻き数が多い密着ばねでも、内面まで均一にめっきできた実績があります。バネ同士が密着している分、液が入り込みにくいのですが、専用の条件で対応しています。
半導体検査装置のコンタクトプローブのような、極細の部品にもめっきできますか?
できます。人の髪の毛は太さ70μm程度と言われますが、エルグでは線径13μmのコイルばねや外径72μmのプランジャーへのめっき実績があり、主に半導体検査装置の接点部品として使われています。1日あたり300,000個規模の生産実績もあります。
微細部品がめっき中に絡む・くっつく・変形するのを防げますか?
部品の形状やめっき仕様に合わせて処理方法を選ぶことで、絡み・貼り付き・変形などの発生を抑えることができます。一般的なバレルめっき(部品をバレルと呼ばれる容器に入れ、回転させながらめっきを行う方法)では、微細で細長い部品や薄い部品の場合、ばねやピンが絡み合ったり、平らな部品同士が貼り付いたり、部品同士の接触によって打痕や変形が生じたりする場合があります。エルグでは、部品の形状・大きさ・材質・数量などに応じて、網付けめっき・静止めっき・微細部品用のラインなどから適した処理方法を選定しています。線径13μmのコイルばねや、外径72μmのプランジャーなど、微細な部品のめっき実績があります。微細部品は、わずかな接触や絡みでも品質に影響するため、部品の形状や要求品質に合わせためっき方法の選定が重要です。まずは部品の形状、サイズ、材質、めっき種類などをお知らせください。
どんな業界・製品で使われている実績がありますか?
主な用途は、半導体検査装置の接点部品、自動車部品、電子部品、スマートフォン部品、医療機器などです。たとえば半導体検査装置向けでは、コンタクトプローブに使われる線径13μmのコイルばねや、外径72μmのプランジャーへのめっき実績があります。さまざまな業界の製品に対応しており、L=30mm以下の微細部品や、袋穴・パイプ内面など液が回りにくい形状を得意としています。
素材
焼結合金やコバールなど、あまり一般的でない素材でも相談できますか?
ご相談ください。エルグでは、鉄鋼・ステンレス・アルミニウム・亜鉛ダイカスト・チタン・銅合金(黄銅・ベリリウム銅・リン青銅・洋白)・タングステン・焼結合金・コバールなど、さまざまな母材へのめっきに対応しています。焼結合金は、内部に微細な気孔が残る場合があり、めっき液が内部に残留しやすい素材です。洗浄や乾燥が不十分だと、後からシミや変色、腐食などの原因になることがあります。エルグでは、袋穴など内部の液交換が難しい形状に対応してきたノウハウを活かして、焼結合金へのめっきにも対応しています。コバールは、電子部品の封止部品などに使用される素材です。用途や求められる性能に応じて、ニッケルめっきや金めっきなどを組み合わせることができます。「この素材にめっきできる?」という段階でも構いません。素材名や合金番号、部品形状、求める機能などをお知らせいただければ、めっきの対応可否や適しためっき構成をご提案します。
ステンレスの部品にめっきすると剥がれやすいと聞きました。対応できますか?
対応しています。ステンレスは、表面に「不動態皮膜」と呼ばれるごく薄い酸化皮膜(厚さ100万分の3mm程度)ができることで、サビにくくなっている素材です。この皮膜は傷がついてもすぐに再生するため、一般的な前処理だけではめっきが密着しにくく、剥がれの原因になります。エルグでは、ステンレスの表面状態に合わせた前処理を行い、めっきの密着性の確保に取り組んでいます。また、ニッケルを使わずに金を直接めっきする「ダイレクト金めっき」にも、ステンレスで対応しています。ステンレスの鋼種(SUS304など)や部品の形状、求める機能をお知らせいただければ、適しためっき構成をご提案します。
チタンやタングステンに直接金めっきできますか?
できます。ただし普通にめっきをつけようとすると、ほぼ確実に剥がれます。チタン・タングステンは表面に強固な酸化被膜があるため、特殊な前処理を施すことで密着性を出します。エルグではニッケルを下地に挟まない「ダイレクト金めっき」でステンレス・チタン・タングステンへの実績があります。
アルミニウムの部品にも、ニッケルや金のめっきはできますか?
できます。アルミニウムは表面に非常に安定した酸化皮膜を形成するため、そのままではめっきの密着性を確保することが難しく、適切な前処理が必要な素材です。エルグでは、アルミニウムの表面を専用の前処理で処理し、めっきの密着性を確保したうえで、銅やニッケルなどの下地めっきを施し、その上に金などを重ねる構成で対応しています。アルミニウムは鉄の約1/3の密度で軽く、熱伝導率237W/m·Kと熱伝導性にも優れた素材です。こうした軽量性や放熱性を活かしながら、めっきによって導電性やはんだ付け性などの機能を付加したい部品に適しています。アルミニウムの種類(合金番号)・形状・求める機能を教えていただければ、めっきの対応可否や適しためっき構成をご提案します。
マグネシウム部品にもめっきできますか?
ご相談ください。マグネシウムは反応性が高く、腐食しやすい金属のため、めっき前の表面処理や密着性の確保が難しい素材です。一般的な金属とは異なる前処理や工程管理が必要になります。エルグでは、マグネシウム合金へのめっき試作実績があり、少量からのご相談にも対応しています。マグネシウムは鉄の約1/4の密度と非常に軽く、非磁性という特長があります。そのため、軽量化したい部品や磁性を避けたい部品などに使用されています。めっきによって導電性・耐食性などの機能を付加したい場合は、マグネシウム合金の種類、部品形状、用途、求める機能をお聞かせください。適しためっき構成や処理方法をご提案します。
めっきの種類・選び方
部品の用途によって、おすすめのめっきは変わりますか?
変わります。接点の低抵抗を重視するなら銀、コストと性能のバランスなら金かパラジウムニッケル、はんだ付け性なら錫、といった形で、用途を伺った上でご提案しています。まずはご相談ください。
複数のめっきを重ねて使うことはありますか?
あります。例えば下地にニッケルを使い、その上に金や銀を乗せるといった多層構造は一般的です。素材との密着性と、求める機能(導電性・耐食性等)の両方を考えて組み合わせを決めています。
接点の接触抵抗を低く、長く安定させたい。どのめっきを選べばよいですか?
用途や使用環境によって適しためっきは変わります。銀は電気抵抗率が低く、導電性に優れています。一方、長期間にわたって接触抵抗を安定させたい場合は金めっきが有力な選択肢です。銀は空気中の硫黄成分と反応して硫化しやすく、使用環境によっては変色や接触抵抗の変化につながることがあります。金は化学的に安定しており、表面の変質が起こりにくいため、長期間使用する接点でも接触抵抗を安定させやすいのが特長です。エルグでは、軟質金・硬質金・金ニッケル・無電解金などに対応しています。抜き差しや摺動など摩耗が生じる接点には、耐摩耗性に優れる硬質金が適しています。膜厚も用途や要求性能に応じて調整可能です。また、下地にニッケルやパラジウムニッケルを施すことで、金と母材との相互拡散を抑制するバリア層として機能させることができます。接点の使用回数、接触荷重、使用温度、必要な耐摩耗性・耐食性などを踏まえ、適しためっき構成をご提案します。
はんだ付け性を良くしたい部品には、どのめっきが向いていますか?
代表的なのは錫めっきです。錫は融点が約232℃で、はんだとの濡れ性にも優れているため、はんだ付け性を必要とする電子部品などに広く使われています。エルグでは、光沢錫・半光沢錫のめっきに対応し、部品の形状や大きさ、数量などに応じて、バレルめっき・静止めっき・網付けめっきから適した処理方法を選択しています。金めっきや銀めっきでもはんだ付け性を確保できますが、接点としての導電性・耐食性・耐摩耗性など、はんだ付け以外の性能も求められる場合に選択されることがあります。また、めっき後の保管環境や保管期間によって、表面状態が変化し、はんだ付け性に影響する場合があります。使用条件や必要な保管期間もお聞かせいただければ、めっきの種類や膜厚などを含めてご提案いたします。
抜き差しやこすれで摩耗する部品には、どのめっきが向いていますか?
抜き差しや摺動など、繰り返し接触による摩耗が発生する部品には、硬質金・パラジウムニッケル・ロジウム・無電解ニッケルなどが候補になります。必要な耐摩耗性だけでなく、導電性・接触抵抗・耐食性・使用回数などによって適しためっきが変わります。ロジウムは700〜800Hvと非常に硬く、耐摩耗性に優れためっきです。ロジウムめっきは薄膜で使用されることが多い一方、膜厚やめっき条件によってはクラックなどが生じる場合があるため、要求性能に合わせた適切な条件設定が重要です。一般には厚くするほどクラックが生じやすいですが、エルグでは3μmでもクラックを発生させないめっき皮膜を実現しています。パラジウムニッケルも硬度が高く、耐摩耗性に優れています。金めっきの下地として使用されるほか、用途によってはパラジウムニッケルを最表面のめっきとして使用することもあります。エルグでは、半導体検査装置のコンタクトプローブなど、繰り返し接触する部品への対応実績があります。抜き差しの回数、接触荷重、摺動の有無、必要な接触抵抗、使用環境などをお聞かせいただければ、硬質金・パラジウムニッケル・ロジウム・無電解ニッケルなどから適しためっき構成をご提案します。
金価格の高騰を受けて、金めっきのコストを下げたいのですが、方法はありますか?
いくつか方法があります。まず検討したいのが、金めっきの膜厚です。必要な導電性・耐食性・耐摩耗性などの要求性能を確認し、必要以上に金を厚くしていないかを見直すことで、金の使用量を減らせる場合があります。2つ目は、パラジウムニッケルの活用です。パラジウムニッケルを金めっきの下地として使用することで金の膜厚を抑えたり、用途によっては金を使わない構成に変更できる場合があります。3つ目は、素材や用途によってダイレクト金めっきを検討する方法です。ニッケル下地を省略できる場合には、工程数の削減によってコスト低減につながる可能性があります。ただし、密着性や耐食性、金と母材との相互拡散などへの影響もあるため、部品の素材や使用環境を踏まえて検討する必要があります。いずれの場合も、単純に金を減らすのではなく、必要な性能を維持できることが前提です。エルグでは、受託分析によって現在のめっき膜厚や断面などを確認し、仕様変更後の性能を検証しながら、コストと性能のバランスを考えためっき構成をご提案します。
ニッケルアレルギーや磁性が問題になる部品(医療機器など)にも対応できますか?
ご相談ください。通常の金めっきでは、下地としてニッケルを使用する構成がありますが、エルグの「ダイレクト金めっき」では、素材や用途によってニッケル下地を使わずに金を直接めっきすることができます。ニッケルを使用しない構成が可能なため、ニッケルへの接触を避けたい部品や、母材の磁気特性を活かしたい部品などで選択肢になります。エルグでは、チタン・タングステン・ステンレスなどへのダイレクト金めっきに対応しています。特にチタンは軽量で耐食性に優れ、非磁性という特長を持つため、医療機器をはじめさまざまな用途で使用されています。一方で、ダイレクト金めっきは素材によって密着性や相互拡散などの条件が異なります。使用環境や要求性能によっては、金めっきの特性や接触特性に影響する場合もあるため、素材や用途に応じた仕様検討が必要です。素材の種類、使用環境、求める性能などをお聞かせいただければ、ダイレクト金めっきが適しているか、必要な下地構成も含めてご提案します。
前処理・後処理・関連加工
めっき前後の処理(脱脂・化学研磨・熱処理など)もまとめて頼めますか?
できます。エルグでは、めっきの前後の処理として、脱脂、化学研磨、ベリリウム銅の熱処理(析出硬化処理)、バレル研磨(遠心・振動・回転)に対応しています。前処理からめっきまでを1社で行うことで、工程間の輸送による汚れ付着のリスクを低減し、品質の責任の所在も明確になります。バフ研磨やサンドブラストなど、エルグで行っていない処理は、グループ会社の千秋鍍金工業所と組み合わせて対応できる場合もあります(Q24・Q25参照)。
ベリリウム銅の接点部品で、熱処理とめっきをまとめて頼めますか?
承ります。ベリリウム銅は、熱処理(析出硬化処理)によって強度や硬さを高めることができる素材です。
エルグでは、熱処理まで社内で対応できるため、工程間の輸送の手間を減らし、各工程を連携して管理できます。熱処理条件によっては、めっき皮膜の外観や特性に影響する場合があるため、めっき仕様と熱処理条件を合わせて検討することが重要です。コネクタやスイッチなどの接点部品では、要求される導電性・耐摩耗性・耐食性などに応じて、金めっきや銀めっきなどが使用されます。ベリリウム銅だけでなく、黄銅・リン青銅・洋白などの銅合金にも対応しています。熱処理のみのご依頼についてもご相談いただけます。
めっき前後の研磨・サンドブラストのような表面加工もまとめて頼めますか?
エルグ単体では研磨・サンドブラストは行っていませんが、グループ内の関連会社である千秋鍍金工業所で対応可能な工程もあります。まずはご相談ください。
複数の表面処理を、1社の窓口で完結させることはできますか?
案件によっては可能です。エルグが得意とする微細・難形状のめっきと、グループ会社の千秋鍍金工業所が持つ研磨・クロムめっき等の工程を組み合わせて対応できるケースがあります。
クロムめっきや装飾用のめっき(ナシジ仕上げ等)も対応してもらえますか?
エルグが主に得意としているのは金・銀・ニッケル・パラジウムニッケル・銅・錫・ロジウムといった機能めっきで、クロムめっきは対応範囲外です。ただ、同じグループ内に千秋鍍金工業所という栃木県の宇都宮市に会社がありクロムめっき・装飾めっきを専門とする会社もあるため、案件によってはご紹介できる場合があります。
不具合の相談・分析
他社でめっき不良が続いている部品を、相談・切り替えできますか?
できます。まず不良品と良品の現物を確認し、必要に応じて断面観察や成分分析などを行って、不良の原因を推定します。そのうえで、素材や製品形状、現在のめっき仕様などを踏まえ、前処理・めっき条件・処理方法の見直しをご提案します。 試作で仕上がりや品質を確認したうえで、量産への切り替えを進めます。
試作で確認した条件や結果を量産工程へ反映できるため、量産移行後の品質を安定させやすいこともエルグの特長です。ご相談の際は、図面、現物、不良の内容や発生頻度、現在のめっき仕様(めっき種類・膜厚)などをお知らせいただくと、原因調査や仕様検討を進めやすくなります。他社で長く続いているめっき不良や、原因がわからない外観不良・密着不良についてもご相談ください。現在の仕様をそのまま確認するだけでなく、必要に応じてめっき仕様そのものの見直しも検討します。
めっきが剥がれる(密着不良)のは、なぜですか?
代表的な原因は、大きく4つあります。
- 前処理が不十分で、油や汚れなどが残っている
- 素材表面に酸化皮膜が形成されている(ステンレス・チタン・アルミなど)
- 熱処理後のスケール(高温で形成される酸化皮膜)や、スマット(化学処理で残る不溶性残渣)が残っている
- 素材と下地めっきの組み合わせや、めっき工程が適していない
めっきの密着性を確保するには、素材の種類や表面状態に合わせた前処理が重要です。エルグでは、脱脂・酸処理・化学研磨など、素材やめっき仕様に応じた前処理を行っています。原因がわからない場合は、剥がれた部分の断面観察やSEM-EDSなどによる元素分析を行い、どの位置で剥離したのか、表面に何が残っていたのかなどを調査します。また、エルグでめっきした部品だけでなく、他社で処理した部品の密着不良・剥離原因の解析も受託しています。めっきが剥がれる原因は、素材・前処理・下地めっき・熱処理・めっき条件など、複数の要因が関係している場合があります。原因を調査したうえで、前処理やめっき仕様の見直しなど、改善方法をご提案します。
めっきした後に、変色やシミが出るのはなぜですか?
原因はいくつか考えられます。
- 銀めっきが空気中の硫黄化合物などと反応し、黒ずむ(硫化)
- 素材や下地構成によっては、金と母材・下地との相互拡散などにより、外観やめっき特性に影響が出る
- 袋穴・焼結合金・密着ばねなど、液が残りやすい部分にめっき液や洗浄液が残留し、後からしみ出して変色や腐食などにつながる
- めっき後のすすぎ・洗浄・乾燥が十分でなく、水分や薬液などが残留している
エルグでは、袋穴やばねなど液が残りやすい形状に対して、液の入れ替えや洗浄を行う専用工程を設け、残留液による不具合の抑制に取り組んでいます。原因がわからない場合は、変色した部分をSEM-EDSやFT-IRなどで分析し、変色物や付着物に含まれる成分を調べて、原因究明につなげます。変色やシミは、めっきそのものだけでなく、素材・前処理・洗浄・乾燥・保管環境など、複数の要因が関係している場合があります。エルグでは、分析結果をもとに原因を確認し、工程や仕様の見直しもご提案します。
部品の表面にできた謎の凸を調べてほしいのですが、そんな小さな分析も対応できますか?
対応できます。過去には長さ0.7mmという超微細な部品の表面にできた30μmの凸を、断面研磨とSEM-EDS(走査電子顕微鏡+元素分析)でピンポイントに解析した実績があります。原因がわからないまま量産を続けるより、まず小さくても異常箇所を特定した方が、結果的に手戻りが少ないです。
混入した異物が何か分からないのですが、調べてもらえますか?
対応できます。過去には1mm程度の異物混入について、FT-IR(赤外分光分析)で成分を特定した実績があります。原因不明のまま量産を続けるより、まず異物の正体を突き止めた方が解決が早いです。
品質・環境・規制
めっきの膜厚はどう管理しているのですか?
エルグでは、日立ハイテク製の蛍光X線膜厚測定器を5台(FT160・FT110A・SFT9550・SFT9300・SFT9250)保有し、めっきした製品の膜厚を非破壊で測定しています。また、必要に応じて断面を研磨し、SEM-EDSで各めっき層の厚さや層構成を確認することもできます。エルグでは、膜厚測定における検量線の作成・検証方法も重視しています。 素材やめっきの種類、膜厚範囲などに応じて、より適切な検量線を設定し、測定精度を高められるよう日々その方法を検証・改善しています。測定した膜厚データは社内データベースで蓄積・管理し、専用アプリでは規格値・管理限界を設定して膜厚の推移を監視します。 異常値だけでなく、膜厚の変化や傾向も把握し、品質の安定化につなげています。膜厚公差や測定頻度、成績書の提出についてはご相談ください。
髪の毛より細い部品の寸法や外観は、どうやって検査しているのですか?
エルグでは、画像寸法測定器(キーエンス製LM-1000/1100)、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製VHX)、実体顕微鏡、卓上SEM(日立ハイテク製)などを使い分けて検査しています。第1工場・第2工場に計3室の検査・測定室を設け、めっき後の寸法や表面状態を確認しています。微細部品では、わずかな寸法変化や外観不良が品質に影響するため、部品の大きさや形状、要求精度に合わせて適切な測定機器を選定しています。
品質・環境の認証や、RoHSなどの規制への対応はどうなっていますか?
エルグでは、品質マネジメントシステムのISO9001と、環境マネジメントシステムのエコアクション21を取得しています。RoHS指令に対応しためっき仕様にも対応しており、用途や要求事項に応じてご相談いただけます。また、紛争鉱物調達方針と情報セキュリティ基本方針を公開し、お預かりした図面やデータを適切に管理しています。工場には排水処理設備を設置し、めっき工程で発生する排水を適切に処理しています。
chemSHERPAやIMDSなど、めっきの含有化学物質の調査(成分調査)に対応できますか?
対応しています。自動車や電気電子機器のメーカーでは、製品に含まれる化学物質を、部品のめっきまでさかのぼって把握することが求められています。エルグでは、お客様からのご依頼に応じて、JAPIA(日本自動車部品工業会)の様式、chemSHERPA、IMDSなどで、めっき皮膜の成分を回答しております。CMRT・EMRTにも対応いたします。下地めっきの上に仕上げめっきをする場合など、めっきが何層かに分かれるときは、層ごとに成分を記入します。また、法規制の改訂に合わせて各様式が更新されるため、更新後の様式での再回答のご依頼にもご相談に応じます。あわせて、紛争鉱物調達方針を公開しています。調査票の様式などをお知らせください。
試作・開発・評価
試作から量産まで、同じ会社で一貫して頼めますか?
可能です。試作段階から量産まで、同じ工程・条件で対応できるのが強みです。試作だけ他社、量産だけ別会社、というよりも工程が安定しやすいです。
小ロットでも試作を頼めますか?
試作対応は可能です。量産に進む前の評価用として、まず少量で条件を確認したいというご相談もよくいただいています。そのため、試作は1個からでも対応可能です。
新しいめっき仕様の開発や、条件出しの段階から相談できますか?
できます。エルグには試作ライン・解析分析室を備えた技術棟があり、研究開発を専属で担当するスタッフが対応します。進め方は、①求める仕様・性能のヒアリング、②試作ラインでの条件出し、③断面観察や成分分析による評価、④量産ラインへの移管、という流れです。試作と評価を社内で繰り返せるため、条件が固まるまでのやり取りの短縮につながります。まだ仕様が決まっていない段階でも、「こういう機能がほしい」というところからご相談ください。
試作品の信頼性評価(環境試験・断面観察など)までお願いできますか?
対応しています。エルグの受託分析では、めっき被膜の調査や評価試験を承っています。
社内の設備では、次のような評価が行えます。
- 恒温器(送風低温恒温器):試作品を一定の温度条件に置いたあとの、外観の変化・腐食の発生・めっきの密着性の評価
- 断面試料作製装置(CP)と研磨機:めっき層の断面観察、断面膜厚の確認
- SEM-EDS:元素分析
- FT-IR:有機物の分析
また、原子吸光光度計・分光光度計でめっき液の成分を分析できるため、試作時のめっき液の状態もあわせて確認できます。めっきを行ったエルグがそのまま評価まで担当できるため、試作→評価→改善のサイクルを短縮しやすくなります。評価の項目や条件は、目的や要求事項を伺ったうえで、ご相談しながら決めていきます。試験の種類や条件によっては対応できない場合もありますので、まずはご相談ください。
大学や公的な研究機関と共同で技術開発を行うようなことはありますか?
あります。現在も国内のある研究機関と共同で、部品の耐久性を高めるためのめっき試験に協力しています。研究内容そのものには守秘義務があり詳しくお話しできませんが、エルグが担当しているのは「めっき」の部分です。営利目的だけでなく、こうした研究段階の試作・評価にも携わっているのがエルグの一面です。
ご依頼の流れ
初めての発注で、何もわからないのですが相談できますか?
もちろんです。素材や形状が特殊な場合ほど、最初の相談で条件を詰めることが重要になります。分からないことは遠慮なく聞いてください。
見積もりの際に、こちらで指定すべきことは何ですか?
素材・形状・サイズ・希望するめっき種(分からなければ用途)を教えていただければ、条件出しから始められます。図面がなくても、現物やサンプルがあれば相談可能です。
短納期の相談もできますか?
案件によります。形状や工程の複雑さで条件出しにかかる時間が変わるため、まずは希望納期と形状を教えていただければ、対応可否をお伝えします。
「500,000個/日」と「300,000個/日」という数字がありますが、違いは何ですか?
対象部品によって異なります。袋穴部品では500,000個/日、微細部品(プランジャー・コイルばね等)では300,000個/日の生産実績があります。部品の形状や素材、めっき種によって工程の負荷が変わるため、実績値も変わってきます。
群馬県富岡市の会社ですが、遠方からでも依頼や打ち合わせはできますか?
可能です。半導体検査装置向けの接点部品などは全国からご依頼をいただいており、海外のお客様もいらっしゃいます。オンラインでの打ち合わせや、図面・サンプルのやり取りでのご相談にも対応しています。まずはサンプルまたは図面をお送りいただければ、対応可否をお答えいたします。
海外にある会社なのですが、対応してもらえますか?英語や中国語の技術資料はありますか?
対応しております。英語・中国語ができるスタッフが在籍しており、また多言語の技術資料をご用意しているほか、海外の半導体関連のお客様もいらっしゃいます。技術資料は、日本語・英語・中国語で用意しています。
エルグについて
設立から現在まで、どれくらいの実績がありますか?
1947年の創立から、めっき加工を続けています。長年の経験の中で蓄積してきた前処理・条件出しのノウハウが、難形状・難素材への対応力につながっています。
社長自身も、技術的な知識をお持ちなのですか?
はい。エルグの代表は表面処理分野の博士号を持っています。経営判断を、営業や数字の話だけでなく、技術的な裏付けを理解した上で行っているのが特徴です。技術の話が経営の言葉として通じる、というのは受託加工の会社としては強みだと思っています。
御社の技術力を支えているのは、どんな人たちですか?
正直なところ、機械や設備だけでは語れない部分が大きいです。エルグには、国家検定でめっき職種の最高位にあたる「特級技能士」が2名在籍しています。特級は、1級合格後さらに5年以上の実務経験を積んで初めて挑戦できる、管理者・監督者クラスの技能を証明する資格です。数値だけでは表せない「勘所」を持った人間が現場にいる、というのがエルグの技術力の土台です。
「エルグ(ERG)」という社名には、何か意味があるのですか?
社名の由来はドイツ語です。「erg.」は「完全なものに!」を意味する「erganze(エルゲンツェ)」の略語で、E・R・Gのそれぞれにも意味があります。E=Echt(本物の、絶対の信頼)、R=Rationell(目的に適った、理想的なものにする)、G=Glanz(輝き)。単なる略称ではなく、「お客様の部品に、目的に適った本物の輝きを与える」という思いを社名に込めています。
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